院長ブログ

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カテゴリ「マタニティー歯科・妊産婦検診」のブログ記事

定期検診で分かること:マタニティー歯科・妊産婦検診編 最終回~歯医者さんからのアドバイス

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こんばんは、院長の松永です、いつも院長ブログを拝読頂き誠にありがとうございます。

昨晩の雪のせいで、今朝の診療所の窓からの景色は少し雪国のようで、スタッフ一同、しばし窓の外の景色に見入っておりました。

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さて、今夜もしんしんと冷え込んでまいりましたが、皆様いかがおすごしですか?

お部屋を暖めて、コーヒーなど入れてのんびりお過ごしでしょうか?

私もお気に入りのカップにたっぷりコーヒーを注ぎ、ブログ更新中でございます。

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今回も前回にひき続き「マタニティー歯科・妊産婦検診」編です。

今回のテーマは「お母さんの無事の出産のために、赤ちゃんを虫歯から守るために、歯医者さんから妊婦さんへんアドバイス」です。

前回までは、妊婦さんの体、お口に起きる変化についてでしたが、実際に「歯医者さんに何を伝えていいか分からない」「注意する事は?」など色々と具体的な疑問も沸いてきませんか?

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以下のようなことを心の片隅に留めて頂ければ、ばっちりです!

かかりつけの歯科主治医を持ちましょう、ストレスが溜まったときも気軽に相談できる先生が いると、心強くより安心してマタニティー・ライフを楽しめます。

②気心の知れた担当の歯科衛生士をもってお家でのお口のケアの仕方について指導を受けましょう、女性の悩み、妊婦の悩みは出産経験のある歯科衛生士が一番理解してくれます

③自分でのケアが難しいときは、歯科衛生士のプロフェッショナル・ケア(クリーニング)を活用しましょう。

④担当の歯科医師・歯科衛生士に最適なケア・グッズを選んでもらいましょう。あなたの症状に応じた歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルフロスなどを揃えましょう。

⑤完璧を求めず、セルフケアの不足分は歯科衛生士のケアしてもらい、体調のより時間に口腔ケアを行いましょう。

⑥歯ブラシなどがだけではなく、キシリトールガムやタブレット、うがい消毒薬も併用しましょう。

お母さんの口のなかの虫歯・歯周病を放置することは、赤ちゃんの口の中の環境を、劇的に悪化させる可能性があることを理解し、治療、予防を行いましょう。

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【受診時の注意点】

*担当歯科医師に無理のない体位での治療をお願いしましょう、椅子を倒さず治療できる場合も多いです。

*治療台で気分が悪くなったときは、左側に横寝し右骨盤下にクッションを入れましょう(左側側臥位)。

薬の処方時に必ず妊娠している旨を伝えて下さい。

*適切な量であれば、治療時の局所麻酔薬は母体・胎児にも心配はありません。

*レントゲン撮影も胎児にたいする影響はないので、心配いりません。 

 

皆様、いかがだったでしょうか?

以上、3回にわたり説明させて頂いた「定期検診で分かること:マタニティー歯科・妊産婦検診編」これをもちまして最後となります。

少しでも、希望と不安でいっぱいのなか頑張る、妊婦さん、ママさんの、新米パパさんのお役に立てたとよいのですが。

 

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まだまだ、寒い日が続き、インフルエンザも流行中でございます。

どうか、皆様温かくしてゆっくり体を休めて下さいね。

明日も、朝方は道路は凍結が予測されます、どうか事故のないよう、気を付けてお越し下さいませ。

定期検診で分かる事・マタニティー歯科・妊産婦検診編

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こんばんわ、院長の松永です。

さすがにセンター試験の季節は毎年、名古屋でも雪が降り寒さが厳しくなります。

昨晩はだいぶ冷え込み当院の周りでも雪が舞っておりました。

 

さて、今回は中断していたマタニティー歯科編の再開です。

前回までは妊娠したお母さんの全身的な変化について書かせて頂きましたが、今回はいよいよ歯科領域「お口の変化」について

書かせて頂きたく思います。

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【妊娠中のママのお口の環境変化】

前回記載させて頂いたように、妊娠によるホルモンバランスの変化により、お母さんの体には色々な変化が現れます。それは、お口の中も例外ではありません。

つわりによる嘔吐や味覚の変化、食事頻度の増加(ちょこちょこ食べ)などにより、お口の中の環境は、より虫歯や歯周病が悪化しやすい状態になります。

 ①虫歯:カリエス(C3)1(050101008)

悪阻による嘔吐で歯磨きができなかったり、妊娠中のちょこちょこ食べ(少量・頻回の食事)、唾液分泌量や唾液のpHの変化により、ママのお口のなかでは虫歯の細菌が急激に増えやすい環境になります。 

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯の原因菌であるミュータンスレンサ球菌は存在していません。つまり赤ちゃんの歯が生える頃に、お母さんが赤ちゃんに自分の虫歯菌を感染させることで、赤ちゃんは虫歯になっていくのです。

ですから、お母さんのお口を定期的にクリーニングしたり、適切な口腔ケアを指導させて頂くことで、お母さんのお口の中の細菌数を減らし赤ちゃんを虫歯の母子感染から守ることができるのです。

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この点では、赤ちゃんの虫歯予防はマイナス0歳から始まっているといっても過言ではありません。お母さんのお口の中の虫歯を治療し、適切なクリーニング行うことは赤ちゃんへ健康な歯をプレゼントしているのと同じですね。 

 

 ②妊娠性歯周炎・歯肉炎:歯周病(P3)2-1(050102020)

女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンのはたらきにより、妊婦はより歯周病にかかりやすい状態になります。 研究によって幅はあれど30%~100%の妊婦が妊娠中期から後期にかけて歯周病になると言われていますから、事前に妊産婦検診時に歯石の除去等を行う事は大変重要と言えます。

*~妊婦が歯周病にかかると~*

ホルモンバランスの影響もあり、妊婦の歯周病は急速に悪化します。治療されずに放置されると、歯周病原因菌により多量に萌出された炎症物質が歯肉の毛細血管に侵入して予期せぬ子宮の収縮をもたらすとされています。また、歯周病原因菌が多量に血流に入り産科器官が感染すると、早産のみならず、胎児の発育不全による低体重児出産も引き起こすとも考えられています。

③妊娠性エプーリス:4_2l_002

歯茎にできる良性の腫瘍です。基本的には歯茎の中のコラーゲンが増殖したもので、母体の健康には問題ないとされています。頻度としてはまれで、妊婦の1%~5%、約16週前後に自覚され、出産後自然に消失するとされています

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以上、妊娠にともない起こる、お母さんの「お口の中の変化」を中心に書かせて頂きました。

いつも、なるべく解かりやすくを心掛けてはいますが、やはり難しい内容です。

不安なことや、分からない事はどうぞ当院の歯科医師やスタッフまでお気軽にご相談下さい。

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現在、往診部の主任であった副院長が外来診療も開始しております、女性歯科医師であるからこそ、女性特有の不安に

寄り添い、サポートさせて頂くこともできるかと存じますので、ご希望の方はどうぞその旨、スタッフまでお申しつけ下さいませ。

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それでは、今夜も冷えますね。どうぞ温かくして、ゆっくりお休みくださいませ。素敵な夜になりますように。

定期検診で分かること:妊婦の歯科検診・マタニティー歯科の重要性について

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今晩は、院長の松永です。

皆様、いかがお過ごしでしょうか?体調崩されていませんか?

毎日、寒さがましていきますね、今日はいよいよクリスマスイブ

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日本でクリスマスと言えば子供や恋人たちの季節のイベントとしての意味合いが強いように思われますが、西洋では聖母マリアが神の子である、イエス・キリストを出産した、キリスト生誕を記念した、聖なる日として祝われています。

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ですから、本日はのテーマは女性のライフイベントのなかでも、とても幸せで特別なイベントである妊娠・出産時の「お口の健康」、「マタニティー歯科」についてお話させて頂ければと思います。

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まずは妊娠中のママの体におきる変化についてお話させて下さい。

 ママの体には、妊娠にともない、色々と今まで経験したことのない変化が起きます。

少し難しい話もありますが、まずは基本が大切です。パパも読んで頂き、経験できなくても、少しでもママの状況を理解はしてあげて下さいね。

①妊娠悪阻(つわり)

妊娠5週~6週の間に出現して12~16週までに自然に消失する、吐き気を伴う気持ち悪さや、嘔吐。嘔吐感により歯ブラシを使う事が出来ず、お口の中に細菌が増えやすく、虫歯や歯周病のリスクが高い状態になります。また、この時期に繰り返される嘔吐で歯が胃酸にさらされると、歯の表面が酸で溶ける「酸蝕症」のリスクが増加します。                                   

②妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)

妊娠20週以降、分娩後12週までの高血圧及び、高血圧を伴う蛋白尿。およそ6時間以上の間隔で2回以上の収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上、あるいはその両方を伴う場合と定義します。35歳以上や15歳以下の初産に多く痙攣(けいれん)発作や胎盤機能の低下の原因になります。

③妊娠性糖尿病

妊娠中期以降、血糖値が上昇しやすくなります。特に肥満、家族に糖尿病歴がある、高齢出産などで発症しやすいとされています。糖尿病になると、免疫を担う細胞の能力(運動性)が低下したり、コラーゲンの合成阻害が生じたりして劇的に歯周病を悪化させます。また、この歯周病による炎症が早産のリスクを高メルとも考えられています。この妊娠性糖尿病は最悪、巨大児の出産や胎児の死亡につながることもあります。適切な治療を行わなければ、母子共に大きな健康のリスクとなるため、注意が必要です。

④仰臥位低血圧(あおむけ寝低血圧)

妊娠後期の妊婦があおむけになると、増大した子宮が静脈を圧迫して、心臓の血液が不足することにより急な血圧の低下が起きる場合があります。症状としては、顔が青白くなる、冷や汗、吐き気、呼吸困難などがあります。このような症状がでた場合には、速やかに側臥位(横向き寝)、妊婦の右腰下にタオルを入れるなどして圧迫を解除して、バイタルサインの確認を行う事が重要です。

⑤いびき

妊娠中は赤ちゃんに十分な栄養を送るために、母体も栄養を蓄えます。お母さんの体にも多くの脂肪が蓄えられますが、喉や舌にも脂肪が溜まり気道を圧迫します。過度の眠気や倦怠感を感じた場合は主治医への相談が必要です。この、気道の圧迫は大きないびきを伴い、閉そく性睡眠時無呼吸症に近似した症状が出る事もあります。過度の眠気や倦怠感を感じたりした場合は、ストレス軽減や体力を回復するためにも、主治医への相談が必要です。歯科医師によるマウスピースの処方も有効なケースもあります。

 

以上が、妊娠に伴いママの体に起こる変化です。難しい表現も多くなってしまいましたが、わからない事があれば、いつでもお気軽にお尋ねください。

きっと、いままでに経験のない事ばかりで戸惑うことも多いと思いますが、家族、主治医の先生と一緒に楽しいマタニティーライフになるよう頑張りましょう。

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次回はいよいよ、マタニティー歯科、妊婦の定期・歯科検診についてお話し致します。

それでは、皆様、どうぞ素敵なクリスマスイブをお過ごしくださいませ。

定期検診でわかること~第4回:妊婦とレントゲン

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こんばんは、お久しぶりです!院長の松永です。

学会発表などで少しお休みしておりました院長ブログ、再開でございます。

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さて、前回に書かせて頂いたときは8月でしたが、季節はあっという間に冬ですね、皆様いかがおすごしでしょうか?

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隣接する松永クリニック耳鼻科はインフルエンザの予防注射などで大変混雑しておりますが、皆様体調崩されていないと良いのですが。

 今回は、前々回の続きで定期検診での検査シリーズで多数のご要望を頂きました妊娠時のレントゲン撮影についてです。

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*歯科用レントゲンの安全性~妊婦さんでも大丈夫?

初めてのお母さん(妊婦)になられて、まず医療機関で心配になるのはレントゲンですよね。

「健康診断のレントゲン、撮ってもいいのかしら?赤ちゃんに負担をかけないか心配で、、、」

そうですね、初めての事ばかりで色々な不安もおありかと思いますが、大丈夫です。

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まず、結論をお伝えすると、適切に防護衣も使用され、照射部位も頭部でお腹には照射されない歯科用レントゲンは胎児にも「安全」です。

近年の目覚ましいデジタル技術の進歩により、歯科のレントゲンは劇的に被ばく線量を下げることに成功していますので、

日常生活の中で毎日、自然に浴びてしまう自然被ばくの量とあまり変わらないと言えます。

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胎児に影響を及ぼすと言われているのは年間約50mSv(シーベルト)以上、ガンの過剰発生を起こす放射線量は年間約100mSv以上ですので、これを念頭に、自然被ばく量を診ていきましょう。

 日本の平均(宇宙・大地・食物・空気の4要素の合計)は 1年間、約1.5mSvです。

一日では平均0.007mSvですから、毎日普通に生活すればわずかな被ばくは避けられませんが、もちろん健康に害はありません。

因みに海外旅行で飛行機に搭乗すると、東京~ニューヨーク間で0.2mSvです。

 さてここからは、医療で受ける放射線です。

医科用胸部X線  CT   6.9mSv

医科用頭部X線  CT   2.0mSv

集団検診(胃のX線撮影)  0.6mSv

    (胸のX線撮影) 0.05mSV

 歯科用レントゲン

お口全体のX線撮影 (歯科用CT) 0.1mSv

(パノラマ) 0.04mSv

お口の部分的X線撮影(デンタル) 0.02mSv

*ちなみに、当院のように全てをデジタル化している場合は被ばく線量は上記よりさらに1/5~1/10削減されています。

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当院の場合CTで0.064mSvです。

 つまり、歯科用レントゲンの被ばく線量はとても少ないのです。

胎児に影響のある50mSv以上を考えると、歯科用CTで約500回~800回、パノラマ撮影では2500回、デンタル撮影では5000回は必要です。

万が一、妊娠しているが妊娠が分かる前に歯科でレントゲンを撮影していても、まず胎児への影響が出る事は考えられないのでご安心下さい。

ただし、事前に妊娠が分かっている場合は、念には念をいれ可能な限りX線の使用を控えたり、撮影回数を減らしたりしてお母さまと赤ちゃんをサポートさせていただきます。

妊娠中の方は、どうかお気軽に担当医までご相談下さい。

 

前々回と今回は定期検診でも良く使用される「レントゲン」に焦点をあててみましたが、いかがでしたでしょうか?

私たち専門家でも放射線学は難しい学問でございます、皆様、不安や分からない事がございましたら、どうぞお気軽にご相談下さいませ。

 

大人28(110106028)さて、次回は「妊娠時・産後の歯科治療の注意点、妊婦のためのマタニティー歯科について」を予定しております。

 

いよいよ多忙を極める師走がやってきます。

IMG_3295「ほっ」と一息つきながら、皆様、どうぞ頑張り過ぎず、どうかお体ご自愛くださいませ。ゆっくりお休みなさい。

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