院長ブログ

歯の健康から院長のプライベートまで。

口腔外バキューム装置~新型コロナ肺炎で注目された名脇役

こんばんは、院長の松永です。

診療室前の花壇、ハナミズキが綺麗に開花いたしました。派手さはありませんが、清楚で控えめな花がなんとも綺麗です。

皆様は晴天のゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか?

家族でBBQをしたり、お散歩をしたり、遠出こそできなくても普段はできないことや、家族水いらずの時間を過ごすには、これもまた良い機会ですね。

休日を返上で感染リスクと闘いながら奮闘して見える医療・介護・福祉関係の皆様、ありがとうございます。この場を借りて最大限の感謝と敬意をお伝えできればと思います。

私達も急患の患者様に限定した休日の外来診療を無事に終えました、明日、明後日も同様にam9:00~12:30, pm14:30~19:00の間で急患対応を行います、当院に平素よりご受診頂いております患者様以外でも、もちろん受診可能ではございます、お困りの際はお電話のうえ、どうぞお気軽にお越しくださいませ。

さて、今日は現在流行中の新型肺炎で注目され始めた、「口腔外バキューム」と呼ばれる歯科機材に焦点をあててみようと思います。

ニュースメディア等に登場した事もあり、ご存知の方も多いかもしれませんが、この装置は通常の口の中で水を吸うために使用している「口腔内バキューム(サックション)」で吸い逃したエアゾル、つまり、歯を削ったり、クリーニングをした時に生じる飛沫を吸い取る器械です。

CTレントゲン装置や光学スキャナ、コンピューターシュミレーションソフト、高精度3Dプリンターなどの先進医療機器と違い、20年近い歴史のある、ある意味、新鮮味に欠ける古いタイプの器械で、役者で言えば名脇役的なポジションでしょうか。

 

しかし、飛沫・エアゾルがお口のすぐ外側で吸い取られる事によって、患者様が飛沫や切削粉を鼻から吸い込む事を防ぎます、もちろん医療従事者自身が飛沫を吸い込むことも防ぐことができます。それだけではなく、飛沫の拡散を防止できれば、診療台はもちろんのこと診療空間の空気も清潔に維持できます。

そのため、新型コロナウィルスの感染拡大を予防するうえで、飛沫・エアゾルの拡散を防止が非常に有効である以上、治療時の口腔外バキュームの運用はとても重要になります。

当院でも、飛沫・エアゾルの発生する可能性のある治療の場合は必ず使用しています。

しかし、これまでも有効性は認められていたものの、歯科医院での口腔外バキュームの普及は遅れていました。その最大の原因は設備コストの高さです。

当院も設計段階から配管や専用の機械室の設計を工夫して、開院時より常設型の口腔外バキュームを運用してきましたが、正直なところ導入コストの高さに驚きました。

確かに費用を抑えた簡易型の持ち運び可能な口腔外バキュームもありますが、吸引力や運動性では常設型に劣ります、また簡易型では吸い込んだ空気はフィルターで除染して機械の背面から再び室内に排出されます。

そのため、確実に空気を院外の放出したい場合は常設型の口腔外バキュームで院内から院外に続く配管を行い、外に向かって空気を吸引する為の特別な機械室が必要になります、私達もこのタイプの口腔外バキュームを使用していますが、確かに吸引力は抜群で時折、皆様のエプロンやタオルを吸い込みそうになるほどです。皆様にとっても、口元でかなり大きな騒音を発生する器械が動く事になるので不快に思われる方もおみえかもしれませんし、また何より患者様とドクターと双方の声が聞き取りにくくなりますので、何かあれば患者様には少し手を挙げて頂くなどのジェスチャーによるコミュ二ケーションも必要になるかと思います。

このように口腔外バキュームは色々と欠点の多い装置ではありますが、飛沫・エアゾルの拡散を抑えるには最も有効な装置です。

新型コロナウィルスはもちろんのこと、HIVやB型肝炎、季節性インフルエンザ等の他の感染防護の観点からもとても有効な装置であるため、当院では今後も口腔外バキュームの運用は継続します。

せっかくメンテナンスでリラックスするためにお越しいただいた皆様には、大きな器械音は誠に恐縮ですが、皆様の健康を守るためには効果の高い器械です。どうかご理解、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

また、小難しいお話しになってしまいましたがゴールデンウィークもあと2日残っております、皆様はいかがお過ごしになられますか?今夜の私の楽しみは、新海誠監督の映画「天気の子」を鑑賞することなのですが、ご覧になられた方はおみえでしょうか?また、感想などお伺いできると嬉しいです。

それでは、皆様どうぞ素敵な夜をお過ごしくださいませ。

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