院長ブログ

歯の健康から院長のプライベートまで。

カテゴリ「レントゲン・CT・放射線管理」のブログ記事

定期検診でわかること~第4回:妊婦とレントゲン

, ,

こんばんは、お久しぶりです!院長の松永です。

学会発表などで少しお休みしておりました院長ブログ、再開でございます。

IMG_3254 (1)

さて、前回に書かせて頂いたときは8月でしたが、季節はあっという間に冬ですね、皆様いかがおすごしでしょうか?

IMG_3260

隣接する松永クリニック耳鼻科はインフルエンザの予防注射などで大変混雑しておりますが、皆様体調崩されていないと良いのですが。

 今回は、前々回の続きで定期検診での検査シリーズで多数のご要望を頂きました妊娠時のレントゲン撮影についてです。

大人85(110106085) 

*歯科用レントゲンの安全性~妊婦さんでも大丈夫?

初めてのお母さん(妊婦)になられて、まず医療機関で心配になるのはレントゲンですよね。

「健康診断のレントゲン、撮ってもいいのかしら?赤ちゃんに負担をかけないか心配で、、、」

そうですね、初めての事ばかりで色々な不安もおありかと思いますが、大丈夫です。

赤ちゃん26(110104026)

まず、結論をお伝えすると、適切に防護衣も使用され、照射部位も頭部でお腹には照射されない歯科用レントゲンは胎児にも「安全」です。

近年の目覚ましいデジタル技術の進歩により、歯科のレントゲンは劇的に被ばく線量を下げることに成功していますので、

日常生活の中で毎日、自然に浴びてしまう自然被ばくの量とあまり変わらないと言えます。

IMG_3297 

胎児に影響を及ぼすと言われているのは年間約50mSv(シーベルト)以上、ガンの過剰発生を起こす放射線量は年間約100mSv以上ですので、これを念頭に、自然被ばく量を診ていきましょう。

 日本の平均(宇宙・大地・食物・空気の4要素の合計)は 1年間、約1.5mSvです。

一日では平均0.007mSvですから、毎日普通に生活すればわずかな被ばくは避けられませんが、もちろん健康に害はありません。

因みに海外旅行で飛行機に搭乗すると、東京~ニューヨーク間で0.2mSvです。

 さてここからは、医療で受ける放射線です。

医科用胸部X線  CT   6.9mSv

医科用頭部X線  CT   2.0mSv

集団検診(胃のX線撮影)  0.6mSv

    (胸のX線撮影) 0.05mSV

 歯科用レントゲン

お口全体のX線撮影 (歯科用CT) 0.1mSv

(パノラマ) 0.04mSv

お口の部分的X線撮影(デンタル) 0.02mSv

*ちなみに、当院のように全てをデジタル化している場合は被ばく線量は上記よりさらに1/5~1/10削減されています。

roentgen_06

当院の場合CTで0.064mSvです。

 つまり、歯科用レントゲンの被ばく線量はとても少ないのです。

胎児に影響のある50mSv以上を考えると、歯科用CTで約500回~800回、パノラマ撮影では2500回、デンタル撮影では5000回は必要です。

万が一、妊娠しているが妊娠が分かる前に歯科でレントゲンを撮影していても、まず胎児への影響が出る事は考えられないのでご安心下さい。

ただし、事前に妊娠が分かっている場合は、念には念をいれ可能な限りX線の使用を控えたり、撮影回数を減らしたりしてお母さまと赤ちゃんをサポートさせていただきます。

妊娠中の方は、どうかお気軽に担当医までご相談下さい。

 

前々回と今回は定期検診でも良く使用される「レントゲン」に焦点をあててみましたが、いかがでしたでしょうか?

私たち専門家でも放射線学は難しい学問でございます、皆様、不安や分からない事がございましたら、どうぞお気軽にご相談下さいませ。

 

大人28(110106028)さて、次回は「妊娠時・産後の歯科治療の注意点、妊婦のためのマタニティー歯科について」を予定しております。

 

いよいよ多忙を極める師走がやってきます。

IMG_3295「ほっ」と一息つきながら、皆様、どうぞ頑張り過ぎず、どうかお体ご自愛くださいませ。ゆっくりお休みなさい。

定期検診でわかること第3回~安心・安全なレントゲン検査について

,

IMG_2970
こんにちは、院長の松永です。
いつも院長ブログを拝見頂きありがとうございます。
 もうお盆の休みですね、皆様いかがお過ごしですか?
 
院長のお盆はと言えば、、、
IMG_2971
はい!こっそり楽しみにしていた夏休み映画、映画「ミニオンズ」を観に行ってまいりました。
個人的には「怪盗グルー」役の笑福亭 鶴瓶さんの声が大好きです。
もちろん遠出も良いですが、近場の映画館でひんやり夏休みもお勧めです!
 
さて早速、今回のトピックですが歯科の大切な検査のひとつ「レントゲン撮影」です!
診察・治療・説明シーン12(110302012)
歯科医院を受診した際の重要な検査に「レントゲン検査」があります。
時には、同時に何枚か撮影したり、種類の異なる器械を使い分けて目的に応じたタイプの検査を行ったり、皆様にもなにかと馴染みのある検査ではないでしょうか?
 
さて、早速ですがレントゲン撮影の「目的」と「種類」です!
私も含め、皆様のドクターは主に以下の7つのポイントを目的に撮影しています。
 
1. 虫歯の発見・歯根の治療
カリエス(C3)1(050101008)カリエス(C3)レントゲン2(050101012)
拡大鏡を使用した肉眼の検査でも見逃してしまう、歯と歯の間の虫歯の発見には大変有効です。
上の写真でもわかるように、レントゲンを撮ると虫歯が見た目以上に深く広がっていることがわかります。
研究によっては発見率を90%近くまで向上できるとのデータもあります。
また、虫歯の細菌に感染した歯の神経を取り除く根管治療(歯内療法)でも肉眼では確認不可能な、
歯の神経の入った管を探すためにレントゲンは非常に重要な役目を果たします。
下の写真(根管治療)では、根の病巣の位置や歯の根の内部に詰めた薬(白色の棒状)が過不足なく入っているかを確認しています。
endo1
これらの診断には「デンタル」と呼ばれる小型のIPデジタル・プレートが使用されます。
*以下デンタル
 
 
2. 歯周病の診断
 
 
perio2
静かに症状なく進行してしまう歯周病ですが、レントゲンで歯を支える骨の量を検査することで、歯周病の進行度に応じた治療計画を立てられます。
また、肉眼では見えない歯茎の内側の歯石の位置も確認でき、歯科医師、歯科衛生士の歯周治療の強い味方です。
上のデンタルレントゲン写真の向かって左側の歯根には多量の歯石が付着して、歯を支える骨が炎症で吸収されていることを確認できます。
肉眼で確認できない部位だからこそ、レントゲンの情報が治療の精度を左右する重要な役目を果たします。
 
3. 被せ物や詰め物の状態の評価
カリエス補綴下
「昔入れた詰め物の縁が黒ずんできました、、、」頻繁に頂くご相談です。
上のレントゲン写真では、痛みなく機能している被せもの下が虫歯になっていて、治療が必要なことがわかります。
私たち歯科医師が心を込めた被せ物にも必ず耐用年数は存在します。その多くは5年~8年です。
被せ物の下に虫歯が出来ている時は再治療が必要ですが、レントゲンはそのタイミングの判断にも効果的です。
こちらも、「デンタル」レントゲンの撮影で可能です。
 
4. 顎関節(がくかんせつ)症の診断
%e6%9d%be%e6%b0%b8_%e7%a5%90%e8%b2%b4_%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%88%e3%83%9c%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b91_tm1-1_20160927_134248%e6%9d%be%e6%b0%b8_%e7%a5%90%e8%b2%b4_3d%e6%a4%9c%e6%9f%bb1_vol1_20160927_135317_3d
「アゴがガクガクと震える」、「大きな口を開けられない」、「痛みで口が開かなくなった」、「顎からパキパキ音がする」
これらは顎関節症の症状です。
歯と異なり、顎の関節は肉眼では見えません。左右どちらの関節が動かないのか、関節の骨に変形はあるかなど、レントゲンは顎関節症の診断に欠かせません。
顎関節の場合は歯は撮らず、関節のみをターゲットとした四つ切りパノラマレントゲンCTレントゲンで撮影します。
 
5. ガンを含む腫瘍などの早期発見
嚢胞CT1嚢胞3
確率は決して高くないものの、顎の骨の中には様々な腫瘍が発生します。
写真はCTレントゲンで精密検査を行った、親知らずを包み込むように発生した良性腫瘍ですが、
やはり、顎の骨を壊してしまうため摘出手術の対象となりました。
口の中の腫瘍の多くは良性ですが、なかには悪性腫瘍(ガン)も存在します。
悪性の場合では、他の部位への転移する前に処置を行い生存率を上げる事は最重要目標となります。
早期に発見できれば、より安全に体への負担が少ない方法で治療が可能です。
 
 
6. 乳歯の生え変わり・小児の骨の成長・発達・矯正治療の必要性の診断
混合歯列レントゲン(050104012)
「乳歯が抜けたのに、なかなか永久歯が生えてこなくて心配です、、、」
ご両親にとっては当然のご心配です。
そんな不安を和らげるためにも、パノラマレントゲン写真でまだ生えてきていない永久歯の
状態を確認します。
上のレントゲン写真は「混合歯列期」のお子さんパノラマレントゲン写真ですが、生え変わりを待つ沢山の
永久歯の種(歯胚)が写っています。
この歯胚の数や位置を確認することで、乳歯から永久歯に正常な生え変わりが可能かどうか診断できます。
 
下の写真はセファロ・レントゲン写真です。矯正治療にあたり より正確な骨格の診断を行うために必須のものです。
矯正治療に先立ち、問題を検証し、それぞれの骨格・顎の骨の成長のスピードにあわせて、より健康で、より美しい顔立ちになるように
綿密な計画を立てていきます。
ceph2せ
 
7. インプラント治療や親知らずの治療計画
implant1implant3
インプラント手術も親知らずの抜歯も、顎の骨の量や骨の内部を走る神経と血管の位置の把握が鍵になります。
この神経の位置をしっかりと確認するためにはレントゲンは欠かせません。
上のレントゲンでは、CTレントゲン光学スキャンを使用して、インプラント治療後の歯並びを術前に再現しています。
このように、必要に応じてCTレントゲンを使用してコンピューター上で緻密なシュミレーションを行ったうえで安心、安全で体に優しい手術を目指します。
 
さて、以上が私たち歯科医師が主に使用するレントゲン撮影の目的と種類になります。
どうでしょう、当院に限らず、皆様の通院中の医院でも一度はお目にかかったことのある、
なじみ深いレントゲンもあったのではないでしょうか?
ただ、種類も多く理解するのが難しいのも事実です。
ぜひ疑問や不安があれば、どうぞお気軽にドクターをはじめ当院スタッフまでお尋ね頂ければ幸いです。
 
 
また長くなってしまいましたが、次回は「妊婦に対するレントゲンの安全性と妊娠時の定期検診の重要性」について
お話させていただきます。
大人28(110106028)
妊婦の皆さん、ぜひ一緒に「妊娠期の歯科受診の注意事項や大切さ」を勉強していきましょう!
 
今年のお盆、天気に恵まれ、皆様が思いきり夏を楽しめるように願っております。それでは、どうか安全で楽しい夏休みをお過ごしくださいませ!

2月の松永クリニック歯科を振り返る~

, , ,

こんばんは、院長の松永です。

本日も松永クリニック歯科は無事に診療を終えさせて頂きました。

さて、やっと春をほのかに感じはじめた今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

いかがでしょうか?お風邪などめされていないと良いのですが、、、

私は、花粉で鼻がムズムズ、あまり風流でない方法で春の訪れを感じとっています。

 

さて、2月はカレンダーの日数も少なく、あっという間に終わってしまった印象ですが、近況報告もかねまして、当院の2月を振り返ってみたいと思います。

 

今月の当院で最大のイベントは、当院の顔を務める受付スタッフの結婚式です。

IMG_2587IMG_2624

当院でも、患者様からも他のスタッフからもとても評判のいい素敵な女性ですが、

IMG_2601

大勢の方々が祝福に訪れた、結婚披露宴は彼女の人間性の素晴らしさを物語っており、改めて尊敬いたしました。

また、新郎・新婦からの粋な計らいに、招待頂いたスタッフ一同、感動しっぱなしで、とても素敵な時間を過ごすことができました。

翌日の診療スタートの挨拶が「昨日は綺麗だったな~」になってしまうほど、スタッフ一同、

心奪われた大イベントでした。事前にプリザーブド・フラワーを頂いました患者様のW様ご夫妻、本当にありがとうございました。しっかりお祝いのスピーチの中でふれさせて頂きました。

 

また2月はおめでたい事が多い月でした。

実は私の父であり、隣接する松永クリニック耳鼻科・皮膚科の院長も誕生日を迎えさせて頂きました。

無事に何事もなく厄を乗り切り、また一つ歳を重ねることが出来ました。

IMG_2653

これも、ひとえに日々、松永クリニックを支えて頂いている皆様のおかげです。

今後とも、親子ともども心より宜しくお願い申し上げます。

因みに、耳鼻科の院長自身もしっかり花粉症、花粉症の辛さを誰よりもよく理解して診療にあたっているそうです、花粉症がつらくなる3月、是非ご相談下さい。

 

 

なにやら、今月はプライベートな話が多くなってしまいましたが、ここで少しだけ

昨今の当院での診療の動向もお話しさせて頂きたいと思います。

IMG_0010

最近、多くなってきているご相談としては、インプラント関連のものが

が挙げられます。

歯を失った場所を新たにインプラントで治療する事はもちろんですが、

もう既に他院にてインプラント治療を受けられた場所にトラブルが生じ、悩みぬいた末のご来院も増えています。

不具合の種類により、保存的な処置や適切なメインテナンスでインプラントを救える場合もありますが、更なる顎の骨へのダメージを避けるために、インプラントを除去する手術を行うケースもあります。

インプラント除去 インプラント除去1

今回のケースも同様のケースで、重度のインプラント周囲炎(インプラント周囲の歯周病)に対して、細菌感染したインプラントの除去手術と患者様ご自身の血液より精製したCGFを用いてGBR手術(骨造成:感染で失った骨を再生する処置)を行いました。

IMG_0012インプラント除去2IMG_0011

この処置を行う事で、インプラント除去後の顎の骨の喪失を最小限に止め、再度インプラント治療を受ける事が可能になるほか、インプラントを選択しない場合でも、より自然感のある美しいブリッジを装着する事が可能になります。

インプラント治療は素晴らしい治療法ではありますが、いまだに色々な問題を抱えています、インプラントに関してのご不安やお悩みがあれば、どうぞお気軽に院長までご相談下さいませ。

 

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

如月(2月)は「まだ絹を一枚、羽織らなければ寒い月」を意味する言葉だそうです。

3月は目の前、どうぞお風邪などめされぬよう、どうか温かくしてお過ごし下さいませ。

ページの先頭へ