こんにちは、院長の松永です。
いつも院長ブログを拝見頂きありがとうございます。
もうお盆の休みですね、皆様いかがお過ごしですか?
院長のお盆はと言えば、、、
はい!こっそり楽しみにしていた夏休み映画、映画「ミニオンズ」を観に行ってまいりました。
個人的には「怪盗グルー」役の笑福亭 鶴瓶さんの声が大好きです。
もちろん遠出も良いですが、近場の映画館でひんやり夏休みもお勧めです!
さて早速、今回のトピックですが歯科の大切な検査のひとつ「レントゲン撮影」です!
歯科医院を受診した際の重要な検査に「レントゲン検査」があります。
時には、同時に何枚か撮影したり、種類の異なる器械を使い分けて目的に応じたタイプの検査を行ったり、皆様にもなにかと馴染みのある検査ではないでしょうか?
さて、早速ですがレントゲン撮影の「目的」と「種類」です!
私も含め、皆様のドクターは主に以下の7つのポイントを目的に撮影しています。
1. 虫歯の発見・歯根の治療
拡大鏡を使用した肉眼の検査でも見逃してしまう、歯と歯の間の虫歯の発見には大変有効です。
上の写真でもわかるように、レントゲンを撮ると虫歯が見た目以上に深く広がっていることがわかります。
研究によっては発見率を90%近くまで向上できるとのデータもあります。
また、虫歯の細菌に感染した歯の神経を取り除く根管治療(歯内療法)でも肉眼では確認不可能な、
歯の神経の入った管を探すためにレントゲンは非常に重要な役目を果たします。
下の写真(根管治療)では、根の病巣の位置や歯の根の内部に詰めた薬(白色の棒状)が過不足なく入っているかを確認しています。
これらの診断には「デンタル」と呼ばれる小型のIPデジタル・プレートが使用されます。
*以下デンタル
2. 歯周病の診断
静かに症状なく進行してしまう歯周病ですが、レントゲンで歯を支える骨の量を検査することで、歯周病の進行度に応じた治療計画を立てられます。
また、肉眼では見えない歯茎の内側の歯石の位置も確認でき、歯科医師、歯科衛生士の歯周治療の強い味方です。
上のデンタルレントゲン写真の向かって左側の歯根には多量の歯石が付着して、歯を支える骨が炎症で吸収されていることを確認できます。
肉眼で確認できない部位だからこそ、レントゲンの情報が治療の精度を左右する重要な役目を果たします。
3. 被せ物や詰め物の状態の評価
「昔入れた詰め物の縁が黒ずんできました、、、」頻繁に頂くご相談です。
上のレントゲン写真では、痛みなく機能している被せもの下が虫歯になっていて、治療が必要なことがわかります。
私たち歯科医師が心を込めた被せ物にも必ず耐用年数は存在します。その多くは5年~8年です。
被せ物の下に虫歯が出来ている時は再治療が必要ですが、レントゲンはそのタイミングの判断にも効果的です。
こちらも、「デンタル」レントゲンの撮影で可能です。
4. 顎関節(がくかんせつ)症の診断
「アゴがガクガクと震える」、「大きな口を開けられない」、「痛みで口が開かなくなった」、「顎からパキパキ音がする」
これらは顎関節症の症状です。
歯と異なり、顎の関節は肉眼では見えません。左右どちらの関節が動かないのか、関節の骨に変形はあるかなど、レントゲンは顎関節症の診断に欠かせません。
顎関節の場合は歯は撮らず、関節のみをターゲットとした四つ切りパノラマレントゲンやCTレントゲンで撮影します。
5. ガンを含む腫瘍などの早期発見
確率は決して高くないものの、顎の骨の中には様々な腫瘍が発生します。
写真はCTレントゲンで精密検査を行った、親知らずを包み込むように発生した良性腫瘍ですが、
やはり、顎の骨を壊してしまうため摘出手術の対象となりました。
口の中の腫瘍の多くは良性ですが、なかには悪性腫瘍(ガン)も存在します。
悪性の場合では、他の部位への転移する前に処置を行い生存率を上げる事は最重要目標となります。
早期に発見できれば、より安全に体への負担が少ない方法で治療が可能です。
6. 乳歯の生え変わり・小児の骨の成長・発達・矯正治療の必要性の診断
「乳歯が抜けたのに、なかなか永久歯が生えてこなくて心配です、、、」
ご両親にとっては当然のご心配です。
そんな不安を和らげるためにも、パノラマレントゲン写真でまだ生えてきていない永久歯の
状態を確認します。
上のレントゲン写真は「混合歯列期」のお子さんパノラマレントゲン写真ですが、生え変わりを待つ沢山の
永久歯の種(歯胚)が写っています。
この歯胚の数や位置を確認することで、乳歯から永久歯に正常な生え変わりが可能かどうか診断できます。
下の写真はセファロ・レントゲン写真です。矯正治療にあたり より正確な骨格の診断を行うために必須のものです。
矯正治療に先立ち、問題を検証し、それぞれの骨格・顎の骨の成長のスピードにあわせて、より健康で、より美しい顔立ちになるように
綿密な計画を立てていきます。
7. インプラント治療や親知らずの治療計画
インプラント手術も親知らずの抜歯も、顎の骨の量や骨の内部を走る神経と血管の位置の把握が鍵になります。
この神経の位置をしっかりと確認するためにはレントゲンは欠かせません。
上のレントゲンでは、CTレントゲンと光学スキャンを使用して、インプラント治療後の歯並びを術前に再現しています。
このように、必要に応じてCTレントゲンを使用してコンピューター上で緻密なシュミレーションを行ったうえで安心、安全で体に優しい手術を目指します。
さて、以上が私たち歯科医師が主に使用するレントゲン撮影の目的と種類になります。
どうでしょう、当院に限らず、皆様の通院中の医院でも一度はお目にかかったことのある、
なじみ深いレントゲンもあったのではないでしょうか?
ただ、種類も多く理解するのが難しいのも事実です。
ぜひ疑問や不安があれば、どうぞお気軽にドクターをはじめ当院スタッフまでお尋ね頂ければ幸いです。
また長くなってしまいましたが、次回は「妊婦に対するレントゲンの安全性と妊娠時の定期検診の重要性」について
お話させていただきます。
妊婦の皆さん、ぜひ一緒に「妊娠期の歯科受診の注意事項や大切さ」を勉強していきましょう!
今年のお盆、天気に恵まれ、皆様が思いきり夏を楽しめるように願っております。それでは、どうか安全で楽しい夏休みをお過ごしくださいませ!