こんばんは、院長の松永です。
いつも院長ブログをご覧頂きありがとうございます。
もう子供たちは夏休みに入りましたね、蒸し暑い毎日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、今回も前回にひき続き「定期検診」について書かせて頂きます。
今回のメインテーマは「歯周病」です。
定期検診の重要な目的の一つに「歯周病」の診断があります。
症状として、歯茎が腫れて膿がでたり、痛みや出血を生じるのが歯周病の主な症状です。
ただ、この病気が怖いのは上記の症状が出たり消えたりしながら、継続的に何年にも渡り静かに進行して、歯を支えている顎の骨の一部が症状なく失われ、最終的にはグラグラして無傷の歯でも自然に抜けてしまうところです。
そこで、定期検診時の「歯周病検査(歯周基本検査)」が病気の発見に威力を発揮します。
歯周病の原因菌に感染しても目立った症状は出ず、その進行をご自身で感じるのが難しいからこそ、
定期的に歯茎の検査を行い歯周病の有無、進行度合いを診て、適切な治療や口腔ケアを行うことで
歯周病を予防したり治療する事が可能になります。
さて、では実際の歯周病の検査について説明させて頂きます。
難しい言葉ですが、シンプルに言えば「歯周基本検査=歯肉溝の深さの計測」です。
歯と歯茎の間には「歯肉溝」と呼ばれる溝があります。この溝は「健康な歯茎」の方でで3mm以下であると定義されており、4mm以上を歯周病と診断します。
この溝が4mm→5mm→6mmと経年的に深くなっていけば歯周病の進行を意味しますし、溝が深く検査値が大きくなるほど、それだけ多くの顎の骨を失い歯が抜けるリスクが高いことを意味します。
ですから、歯周病検査のカギはいかに正確にこの「歯と歯茎の間の溝:歯肉溝」をいかに正確に測定できるかにかかっています。
写真のように1mmのメモリが付けられた測定器具(歯周プローブ)を使用して1本の歯の周囲を一周するように溝の中を計測して、最も深い1点を記録します。
どうぞご安心下さい、一見すると、痛そうに見えるかもしれませんが器具(歯周プローブ)の先端は丸められており、あまり痛みはありません。
写真では歯茎からの出血もみとめますが、先の丸めた歯茎に優しい器具でも出血してしまう、これも重要な歯肉の炎症のサインです。
また、熟練した歯科衛生士であればこの「歯周基本検査」の時に、歯茎の下の見えない歯石の位置も把握して、検査結果を基に行う歯磨きの指導(ホームケア)や歯石除去(プロフェッショナルケア)にも活用します。
検査結果は電子カルテシステムで記録・分析され、過去から現在までの定期検診の結果を総合して、今後の進行の予測や患者様ごとに最適な治療計画の立案に生かされます。
実はこの検査、3㎜前後の目には見えない歯と歯茎の間の溝を、写真にあるような1mm幅でメモリの切ってある器具(写真は当院のもの)を使い計測する、とても繊細さの要求される作業です。
時には写真のような拡大鏡を用いる必要があるほどです。
当院には3名の経験豊富の歯科衛生士が在籍しております。繊細な作業であるからこそ毎回、同じ専任の歯科衛生士が担当させて頂き検査を行う事が重要であると考えております、ぜひ皆様と相性の良い2人3脚で治療を行える歯科衛生士を専任者とさせて頂ければ幸いです。
是非、皆様もともに人生を歩める相性のいい歯科衛生士を探し、歯周病を予防するための定期検診を受けて頂ければ幸いです。
ついつい長くなってしまいましたが、次回は歯科のレントゲンについてお話させて下さい。
それでは、皆様も体調崩されぬよう、ゆっくりお休みくださいませ。