こんばんは、お久しぶりです!院長の松永です。
学会発表などで少しお休みしておりました院長ブログ、再開でございます。
さて、前回に書かせて頂いたときは8月でしたが、季節はあっという間に冬ですね、皆様いかがおすごしでしょうか?
隣接する松永クリニック耳鼻科はインフルエンザの予防注射などで大変混雑しておりますが、皆様体調崩されていないと良いのですが。
今回は、前々回の続きで定期検診での検査シリーズで多数のご要望を頂きました妊娠時のレントゲン撮影についてです。
*歯科用レントゲンの安全性~妊婦さんでも大丈夫?
初めてのお母さん(妊婦)になられて、まず医療機関で心配になるのはレントゲンですよね。
「健康診断のレントゲン、撮ってもいいのかしら?赤ちゃんに負担をかけないか心配で、、、」
そうですね、初めての事ばかりで色々な不安もおありかと思いますが、大丈夫です。
まず、結論をお伝えすると、適切に防護衣も使用され、照射部位も頭部でお腹には照射されない歯科用レントゲンは胎児にも「安全」です。
近年の目覚ましいデジタル技術の進歩により、歯科のレントゲンは劇的に被ばく線量を下げることに成功していますので、
日常生活の中で毎日、自然に浴びてしまう自然被ばくの量とあまり変わらないと言えます。
胎児に影響を及ぼすと言われているのは年間約50mSv(シーベルト)以上、ガンの過剰発生を起こす放射線量は年間約100mSv以上ですので、これを念頭に、自然被ばく量を診ていきましょう。
日本の平均(宇宙・大地・食物・空気の4要素の合計)は 1年間、約1.5mSvです。
一日では平均0.007mSvですから、毎日普通に生活すればわずかな被ばくは避けられませんが、もちろん健康に害はありません。
因みに海外旅行で飛行機に搭乗すると、東京~ニューヨーク間で0.2mSvです。
さてここからは、医療で受ける放射線です。
医科用胸部X線 CT 6.9mSv
医科用頭部X線 CT 2.0mSv
集団検診(胃のX線撮影) 0.6mSv
(胸のX線撮影) 0.05mSV
歯科用レントゲン
お口全体のX線撮影 (歯科用CT) 0.1mSv
(パノラマ) 0.04mSv
お口の部分的X線撮影(デンタル) 0.02mSv
*ちなみに、当院のように全てをデジタル化している場合は被ばく線量は上記よりさらに1/5~1/10に削減されています。
当院の場合CTで0.064mSvです。
つまり、歯科用レントゲンの被ばく線量はとても少ないのです。
胎児に影響のある50mSv以上を考えると、歯科用CTで約500回~800回、パノラマ撮影では2500回、デンタル撮影では5000回は必要です。
万が一、妊娠しているが妊娠が分かる前に歯科でレントゲンを撮影していても、まず胎児への影響が出る事は考えられないのでご安心下さい。
ただし、事前に妊娠が分かっている場合は、念には念をいれ可能な限りX線の使用を控えたり、撮影回数を減らしたりしてお母さまと赤ちゃんをサポートさせていただきます。
妊娠中の方は、どうかお気軽に担当医までご相談下さい。
前々回と今回は定期検診でも良く使用される「レントゲン」に焦点をあててみましたが、いかがでしたでしょうか?
私たち専門家でも放射線学は難しい学問でございます、皆様、不安や分からない事がございましたら、どうぞお気軽にご相談下さいませ。
さて、次回は「妊娠時・産後の歯科治療の注意点、妊婦のためのマタニティー歯科について」を予定しております。
いよいよ多忙を極める師走がやってきます。
「ほっ」と一息つきながら、皆様、どうぞ頑張り過ぎず、どうかお体ご自愛くださいませ。ゆっくりお休みなさい。