院長ブログ

歯の健康から院長のプライベートまで。

定期検診で分かる事・マタニティー歯科・妊産婦検診編

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こんばんわ、院長の松永です。

さすがにセンター試験の季節は毎年、名古屋でも雪が降り寒さが厳しくなります。

昨晩はだいぶ冷え込み当院の周りでも雪が舞っておりました。

 

さて、今回は中断していたマタニティー歯科編の再開です。

前回までは妊娠したお母さんの全身的な変化について書かせて頂きましたが、今回はいよいよ歯科領域「お口の変化」について

書かせて頂きたく思います。

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【妊娠中のママのお口の環境変化】

前回記載させて頂いたように、妊娠によるホルモンバランスの変化により、お母さんの体には色々な変化が現れます。それは、お口の中も例外ではありません。

つわりによる嘔吐や味覚の変化、食事頻度の増加(ちょこちょこ食べ)などにより、お口の中の環境は、より虫歯や歯周病が悪化しやすい状態になります。

 ①虫歯:カリエス(C3)1(050101008)

悪阻による嘔吐で歯磨きができなかったり、妊娠中のちょこちょこ食べ(少量・頻回の食事)、唾液分泌量や唾液のpHの変化により、ママのお口のなかでは虫歯の細菌が急激に増えやすい環境になります。 

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯の原因菌であるミュータンスレンサ球菌は存在していません。つまり赤ちゃんの歯が生える頃に、お母さんが赤ちゃんに自分の虫歯菌を感染させることで、赤ちゃんは虫歯になっていくのです。

ですから、お母さんのお口を定期的にクリーニングしたり、適切な口腔ケアを指導させて頂くことで、お母さんのお口の中の細菌数を減らし赤ちゃんを虫歯の母子感染から守ることができるのです。

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この点では、赤ちゃんの虫歯予防はマイナス0歳から始まっているといっても過言ではありません。お母さんのお口の中の虫歯を治療し、適切なクリーニング行うことは赤ちゃんへ健康な歯をプレゼントしているのと同じですね。 

 

 ②妊娠性歯周炎・歯肉炎:歯周病(P3)2-1(050102020)

女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンのはたらきにより、妊婦はより歯周病にかかりやすい状態になります。 研究によって幅はあれど30%~100%の妊婦が妊娠中期から後期にかけて歯周病になると言われていますから、事前に妊産婦検診時に歯石の除去等を行う事は大変重要と言えます。

*~妊婦が歯周病にかかると~*

ホルモンバランスの影響もあり、妊婦の歯周病は急速に悪化します。治療されずに放置されると、歯周病原因菌により多量に萌出された炎症物質が歯肉の毛細血管に侵入して予期せぬ子宮の収縮をもたらすとされています。また、歯周病原因菌が多量に血流に入り産科器官が感染すると、早産のみならず、胎児の発育不全による低体重児出産も引き起こすとも考えられています。

③妊娠性エプーリス:4_2l_002

歯茎にできる良性の腫瘍です。基本的には歯茎の中のコラーゲンが増殖したもので、母体の健康には問題ないとされています。頻度としてはまれで、妊婦の1%~5%、約16週前後に自覚され、出産後自然に消失するとされています

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以上、妊娠にともない起こる、お母さんの「お口の中の変化」を中心に書かせて頂きました。

いつも、なるべく解かりやすくを心掛けてはいますが、やはり難しい内容です。

不安なことや、分からない事はどうぞ当院の歯科医師やスタッフまでお気軽にご相談下さい。

大人85(110106085)

現在、往診部の主任であった副院長が外来診療も開始しております、女性歯科医師であるからこそ、女性特有の不安に

寄り添い、サポートさせて頂くこともできるかと存じますので、ご希望の方はどうぞその旨、スタッフまでお申しつけ下さいませ。

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それでは、今夜も冷えますね。どうぞ温かくして、ゆっくりお休みくださいませ。素敵な夜になりますように。

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