院長ブログ

歯の健康から院長のプライベートまで。

子供のための安全な歯磨き習慣〜歯ブラシ事故0を目指して

 

こんばんは、院長の松永です。

今日は春一番が吹いたそうですが、やはり2月の風は冷たく感じました。晴天の天皇誕生日、皆様はいかがお過ごしになられましたでしょうか?

私は藤が丘をのんびり散歩して「マコぱん」さんの美味しいモーニングにを楽しんできました。相変わらず、、、マコぱんさんのママさんの優しさに癒されました。

 

さて、歯医者がいつも心配している事に一つに「歯ブラシ事故」があります。あまりニュースになる事は少ないので馴染みのない方も多いかも知れませんが、決して珍しい事故ではありません。

歯ブラシ事故とは、歯磨きをしながらの「転倒」「転落」「衝突」などにより口や喉の奥、最悪のケースでは脳底部等に怪我をしてしまうことを指します。

東京都が把握している事例だけでも、平成23年〜28年の間に歯ブラシ事故による救急搬送は217件(入院36件)と報告されています。(危害の程度 中等度:17% 重症1%)

原因として多いのいは、1〜2歳台の60%が「転倒」、4〜5歳で「衝突」です。

年齢の分布

0歳6ヶ月〜11ヶ月  :1%

1歳〜1歳5ヶ月    :18%

1歳6ヶ月〜1歳11ヶ月:30%

2歳〜2歳5ヶ月    :18%

2歳6ヶ月〜2歳11ヶ月:13%

3歳〜3歳5ヶ月    :9%

3歳6ヶ月〜3歳11ヶ月:3%

4歳          :5%

5歳          :3% 

 

子育て中の保護者の方は、よくご存知だと思います。

やはり、つかまり立ちから、通常の歩行に変わり自由に部屋の中を動き始めた瞬間から、子供たちは「転倒」のリスクと隣合わせです。ふと目を離した隙に自由に歩いて行って、どこかで転んで泣き声が聞こえてきた、、、と言ったことをご経験の保護者さまも多いかと存じます。

子供たちが歩行を学習するうえで転倒は避けられないのですが、歯ブラシやお箸、フォークなどを口に咥えた状態での転倒はそれらの器具が喉を傷つける可能性が増すため大変危険です、過去には綿菓子の中の割り箸が、転倒時に喉の奥に刺さり、死亡事故に発展した例も報告されています。

先端が丸い歯ブラシでは、死亡の報告は多くはありませんが、その硬さ故に、障害が残るような重症事故に発展した報告は多々あります。

 

それでは、どのような対策があるのでしょうか?

前述の事故調査を行った東京都の対策協議会の提言が分かりやすいので、下記を参考にしてみてください。

  • 事故の危険性が高い3歳半までは、軟らかさや角を丸めてある安全対策を施された歯ブラシを選択する。
  • 安全対策を施された柔らかい歯ブラシでも、保護者が必ず見守る。
  • 子供が自身で磨く歯ブラシと仕上げ磨き用の歯ブラシを分ける。
  • 歯磨きは床に座って行う習慣付けをする、歯磨きの間は動き回らせない。
  • 歯磨きを行う場所、生活環境をコントロールして(踏み台、椅子、ソファー、ベッドの上など)足場が不安定な場所で歯磨きさせない。
  • 歯ブラシ以外、箸やフォークでも口に咥えて歩かせない、物を咥えて歩かない習慣付けをする。

最後に、上記のような、転倒時に過剰な力がかかると曲がり、喉を傷つけない歯ブラシの利用は大変有効ですし、とても柔らかいので、かなりの割合で転倒時の喉への傷を防いでくれると考えられいます。

しかし、それ以前に大切な事は、私達大人の行動です。1歳のお子さんでも、その子の行動は身近な大人の行動をそのまま模倣していることが多いのです。私達大人が歯ブラシを咥えて歩き回っていたら、子供たちも尚更、真似をして歯ブラシを咥えて歩き回る習慣を身に付けてしまいます。大人が「〜ながら磨き」を控え、決められた場所でしっかり磨き、歯ブラシを咥えて動きまわらない事が何よりも重要なのです。

今夜は、歯ブラシの事故のお話しでした。子育て中の皆様、ぜひ今一度お子様の歯磨きに危険が潜んではいないか再確認されてはいかがでしょうか?

それでは、ゆっくりおやすみなさい。

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