リスクと副作用

各種診療案内における、リスクと副作用をご確認ください。

ホワイトニングにまつわるリスク・副作用について

オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングどちらも、薬剤によって歯の色調を改善する処置ではありますが、術後に知覚過敏や歯茎の違和感を生じることがあります。どちらの症状も術後数日で改善しますが、当院では必ず術後の知覚過敏処置も同時に行っています。

  • 自宅で行う「ホームホワイトニング」では、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」で使用する薬剤より濃度の低いものを使うため、「知覚過敏」になるリスクはオフィスホワイトニングに比べて低くなります。それでも歯に与える影響はあるため、違和感が生じた場合は、すみやかに歯科医師にご相談ください。
  • ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングと比べて、濃度の低い薬剤を使用し、時間をかけて白くしていくため、効果があらわれるまでに時間がかかります。
  • ホームホワイトニングは、患者さんご自身でホワイトニングを行うため、どのような仕上がりになるのか予測がつきにくく、歯の白さの調整がむずかしい傾向があります。
  • 器具の使用方法や薬剤量などを、正しく守れているかの自己判断がむずしい面があります。正しくできているのか、ご自身での判断がむずかしい場合は、歯科医師にご相談ください。

ホワイトニングを避けた方が良い場合

  • 詰め物や被せ物が多い方は、自分の歯との色の差が目立つようになってしまうことがあります。その部分も色を揃えることは可能ですが、時間と費用がかかります。
  • ホワイトニングは自分の歯であることが前提ですので、入れ歯・差し歯などの人工の歯を白くすることはできません。ホワイトニング後に差し歯を入れることをおすすめします。
  • 歯にヒビが入っていると、ホワイトニング剤の強い刺激がヒビから入り、歯にダメージを与える可能性があります。
  • ホワイトニングは、神経が生きている歯に対して行う施術です。神経を抜いてしまった歯や死んでしまっている歯は対象外となります。
  • 抗生物質の影響で歯の変色が強い方は、ホワイトニングの効果が出にくい傾向があります。

ホワイトニングをしてはいけない場合

  • 「無カタラーゼ症」の方は、ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素を分解する酵素がないため、ホワイトニングはできません。万が一体内に取り込まれると、分解されずに残留してしまい、進行性口腔壊死など、重い病気になる可能性がありますので、絶対に行わないでください。
  • 妊娠中や授乳中の方は控えてください。

外科処置を伴うインプラント治療特有のリスクについて

インプラントはさまざまな知識や技術を組み合わせて行う治療です。インプラント治療に関する技術や知識、経験だけでなく、噛み合わせや被せ物の知識、解剖学的な知識、医科との連携なども重要です。

また、安全性を高めるための衛生管理や治療環境、設備・機器も欠かせません。

治療に携わる全てのスタッフが、インプラントに関する知識・技術を習得し、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手が熟達したチームとして治療に当たることが大切です。
このような、さまざまな条件を満たすことが、安全でリスクの少ないインプラント治療につながります。

インプラントは安全性の高い治療と言えますが、外科的手術が必要になる以上、外科処置に伴うリスクが全くないとは言えません。
リスクをご理解していただいた上で、インプラントと他の治療法とも比較していただき、より皆様のご希望にあった治療法をご選択頂ければと思います。

インプラント治療のリスク

  • インプラント治療は、入れ歯・ブリッジ治療とは異なり保険適用外となります。
  • 骨の成長途中のお子さんは、インプラント治療はできません。また、痛み止め、抗生物質等を使用するため、妊娠中の方、妊娠の可能性のある方、授乳中の方は、インプラント治療を控えてください。
  • 心臓の疾患、骨粗鬆症などの方は、内科的な側面からインプラント治療に適さない場合があります。また、血圧の薬なども治療に影響する場合があるので、治療前に歯科医師に申告してください。
  • インプラント治療は、入れ歯の治療とは異なり、外科手術を行う必要があります。手術では、今までは問題がなかった神経や血管などにも手を加えることがあるため、異常出血や神経の麻痺のリスクが生じます。また、手術自体受けられない場合もあります。
  • 免疫力や抵抗力が低下しやすく、歯周病の発生リスクが高いとされる糖尿病の方、口腔内の衛生状態の悪い方、あごの骨が足りない方、喫煙者の方は、インプラントへの細菌感染のリスクが増します、事前に生活習慣の改善・治療が必要な場合があります。
  • インプラント治療は、あごの骨に穴をあけて人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を被せます。インプラントが骨に接着するまでに約3カ月~6カ月の治癒期間を要します。また、インプラントを埋め込む骨の厚みを増やす手術を行う場合は、さらに治療期間がかかります。
  • インプラント手術の際に下顎神経に触れた、もしくは近かったなどの影響により、下歯槽神経の損傷(知覚異常や鈍麻)を起こす場合があります。インプラントによる神経の圧迫・損傷・切断がある場合は、インプラントを撤去します。状況によっては、経過を見る場合や、内服薬で治療を行う場合もあります。
  • 上あごにインプラントを埋める際に、上顎洞を破るリスクがあります。手術した時に感染が生じると蓄膿症になる場合があります。この場合、インプラントを除去することがあります。また、蓄膿症になった場合、耳鼻咽喉科で治療を受ける必要が生じることがあります。
  • インプラント手術直後は、違和感・痛み・腫れ・出血などが発生する場合がありますが、大半は2~3日でおさまります。
  • インプラントはチタンと呼ばれる金属を使用しています。金属アレルギーの発生は少ない金属ですが、ごく稀にチタンにアレルギーのある方もおみえです、ご心配な方は事前に、ご相談くださいませ。
  • 歯がない箇所のリカバリー治療では、欠損箇所のみの治療ではなく、全体の噛み合わせを考慮した方針を選択することをおすすめします。
  • インプラント治療後は、定期検診とメインテナンスを継続する必要があります。インプラントは人工物であるためむし歯にはなりませんが、日ごろから丁寧なメインテナンスが必要です。また、口の中の衛生状態が悪いと、インプラント周囲炎という病気にかかり、重症化に伴いインプラントの喪失や周辺歯茎の腫れや痛みの原因になることがあります。

小児矯正・ワイヤー矯正・マウスピース型矯正やその他矯正装置の副作用やリスク

  • 歯の移動に伴い、装置の種類に限らずある程度の痛みを感じる場合がありますが、正常な反応の一つでもあります。しかし、矯正治療中に装置が頬の内側に当たり、傷がついたり、口内炎になったりする場合があります。また、歯が移動する際に痛みが生じることもあります。状況に応じて、歯科矯正用ワックスでの対処や、その他の対処策を行います。
  • 矯正装置を装着した直後や、ワイヤーを交換した直後に、痛みを感じることがあります。冷たいものを飲んだ時にしみる「知覚過敏」の症状があらわれる場合もあります。これらの症状は、数日でおさまるケースが大半です。痛みがおさまらない場合は、歯科医師にご相談ください。
  • 矯正装置を装着している間、舌がスムーズに動きにくかったり、発音しづらかったり、食べ物が装置に絡まりやすくなる場合がありますが、通常、数カ月で慣れます。

金属アレルギー(小児矯正・ワイヤー矯正)

  • 矯正装置には金属素材が使用されていることが多いため、金属アレルギーの方、金属アレルギーの不安がある方は、皮膚科でステンレスやニッケルチタンに対するパッチテストなどを受けて、アレルギー源を特定し、歯科医師に伝えてください。また、矯正装置を装着後、皮膚や口腔の粘膜にアレルギー症状が起きた場合は、すみやかに歯科医師にご連絡ください。
    金属を使用しないマウスピース型矯正装置で治療することも可能です。

抜歯・麻酔

  • 矯正をしたい箇所に十分なスペースがない場合、健康上問題のない歯を抜歯することもあります。その場合、抜歯前に医師より治療についての説明をします。
  • 抜歯する場合は麻酔注射を行います。麻酔薬には、心拍数・血圧を上げる成分が含まれているものもあり、心臓や血圧に問題がある方が使用すると、動悸・血圧上昇を起こす可能性があります。また、麻酔によって、悪心・嘔吐・アレルギー反応を引き起こすこともあります。
  • 麻酔が効いている最中は感覚が鈍くなっているため、頬を噛んだり、熱いものを飲んでヤケドをする場合があります。

むし歯・歯周病

  • 矯正治療中は、矯正装置の周りなど、歯磨きがしにくい部分ができるため、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。歯科医師よりブラッシング指導を受け、丁寧に歯磨きをする習慣を身につけましょう。歯科医院での、歯のクリーニングやフッ素塗布などのケアも効果的です。
  • 基本的には、矯正治療中にむし歯や歯周病の治療はできません。矯正前にこれらの治療をしっかり終わらせる必要があります。ただし、矯正治療中にむし歯が生じ、歯科医師が必要と診断した場合、矯正治療中であっても器具を一度外して治療を行う場合があります。

治療終了後

  • 矯正治療終了後、矯正箇所が元に戻る場合もあります。その程度は個人差があります。
  • 矯正治療終了して数カ月~数年経つと、噛み合わせが悪くなる可能性があります。噛み合わせが悪くなると、咀嚼障害・頭痛・肩こりなどの症状が発生することがあります。また、噛み合わせのバランスが崩れることで、「顎関節症」や「自律神経失調症」を発症するリスクが生じます。噛み合わせが原因でこれらの症状が出た場合は、噛み合わせの治療を行います。

その他

  • 矯正治療は、治療の経過および治療後の見た目に個人差が大きく現れるのが特徴です。また、歯科医師との見解の相違が起こる場合もあるので、歯科医師としっかり話し合うようにしてください。
  • 定期的な通院や、取り外し可能な矯正装置・補助装置の装着時間など、歯科医師の治療計画にご協力いただけない場合、治療の結果に差が出る場合があります。また、個人差により、治療期間が数年かかる場合もあります。
  • お子さんによっては、矯正治療が大きなストレスになる場合がありますので、治療前・治療中は、しっかり話し合ってください。装置の紛失は追加費用の発生の原因になることもあります、ご注意ください。
  • 矯正治療中には、頭痛・首や肩のこり・吐き気・不眠・強い倦怠感などの症状が生じることがあります。このような場合は、歯科医師の指示のもと、鎮痛剤・吐き気止めなどを服用していただくことがあります。
  • 歯や骨の状態、むし歯や歯周病の発生などによって、当初の治療計画よりも治療期間が長くなる場合があります。
  • 矯正治療では、歯肉が下がる場合(歯肉退縮)があります。特に切歯(せっし:上下前歯各4本)、歯の凸凹が大きい患者さんは、発症するリスクが高くなります。このリスクはワイヤー矯正・マウスピース矯正を問わず生じます。
    術前の検査・診断であごの骨の幅をしっかりと把握して計画を立てていくことが重要です。
  • 矯正力が強過ぎると、歯の根が短くなる「歯根吸収」を発症するリスクが高くなります。術前からすでに歯の根の長さが短いケースでは特に注意が必要です。
  • 一時的に固いものが噛めなくなることがあります。また、ガムや餅など、装置に引っかかりやすいものが食べられなくなることもあります。
  • 顎の成長に合わせて歯並びを改善するため、一時的に歯並びが悪い状態になることもあります。
  • 装置が壊れる場合があります。その際は、歯科医師にご相談ください。
  • 歯を動かして歯並びを改善する「動的治療」を終えても、まだ歯が元の位置に戻ろうとする力がはたらくため、一定期間動かした歯を正しい位置にとどめておく必要(保定期間)があります。歯の位置が安定するまでの期間は個人差があるので、治療後も歯科医師の指示を守ってください。
  • 受け口などの骨格的変化の大きな症例ではお子様の場合は、成人してから再度矯正治療が必要になることがあります。
  • 重症度によっては口腔外科など矯正治療以外の専門分野との連携が必要になることがあり、二次医療機関を紹介させていただく場合もあります。

被せ物や詰め物に関する副作用やリスクについて

材質全般について

  • 治療で使用する材質によっては、食いしばりや、歯ぎしり、嚙みしめる力が強い方の場合、詰め物あるいは被せ物が破損することがあります。このような場合は、マウスピースを装着して対応します。
  • 保険治療・自費治療を問わず、新しい材質のなかには、使用可能になってからの期間が短いものがあります。副作用報告がない場合でも、よく検討する必要があります。
  • 保険適用外の詰め物・被せ物は、メリットだけなく、デメリットもあります。検討される方は、歯科医師と十分に話し合ったうえで治療方法を決定してください。

ジルコニア

  • ジルコニアとは、人工ダイアモンドとして知られている材質で、強い・軽いことに加え、金属アレルギーを起こさないことが特徴です。しかし、ジルコニアの表面を覆ポーセレンというセラミックでカバーして審美性を向上させているケースでは、時に割れてしまう場合があります。その他にも、歯ぎしりや嚙みしめる力が強い人の場合、セラミック部分が剥がれてまうケースがあります。

メタルセラミック

  • メタルセラミック(メタルボンド)治療を行った場合、歯と歯茎の境が黒く変色するケースがあります。また、表面のセラミックが剥落し金属部分の露出が生じる場合があります。
  • 貴金属の使用量が多く、一般的に高価になりやすい。

オールセラミック

  • オールセラミック治療は、治療する歯の本数が多いと、費用が高額となる場合が多くあります。
  • オールセラミックは色調再現性・審美性でジルコニアより優れるものの、強度はジルコニアには劣ります。
  • ジルコニアと違い、ブリッジのケースには対応できなかったり、マウスピースが必要になる場合があります。
  • 上記その他の素材と同様、過度の食いしばりや歯軋り、転倒で歯をぶつけるなどのケースでは欠けたり、割れる可能性があり、就寝中のマウスピースの使用が必要にある場合があります。